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send 【スポーツi.】巨大化する大リーグビジネスの裏側

2014年5月21日 水曜日

bsg1405210500002-p1    プロ野球は日本で最大のメジャー・スポーツである。4月の下旬、今季の12球団の球団別年俸が発表された。トップは巨人で総額41億3485万円、1軍選手の平均年俸は約1億4221万円、2軍を含めた平均年俸も6891万円と厚遇されている。チーム別では以下、ソフトバンク(30億8260万円)、阪神(24億5500万円)、ロッテ(21億8294万円)と続き、最下位はDeNAで15億150万円となっている。    年俸1億円以上の選手は前年より7人減ったものの64人もいる。最高は6億円で巨人・阿部慎之助捕手だった。観客動員も昨季は両リーグで2200万人を超えた。テレビ中継も地上波から消えたとはいえ、BSやCSにシフトされ、すべての試合が“生中継”されている。一時期、人気、年俸面でサッカーに後れをとったこともあったが、やはり日本を代表するスポーツという地位は揺るがない。    ◆TV放映権“バブル”  ところが…。大リーグはそんな日本市場をあざ笑うかのような“好景気”に沸いており、さらに巨大ビジネス化している。    米国大手スポーツメディア、ESPN電子版が今季の開幕時のメジャーのベンチ入り25選手年俸ランクを公表している。1位はロサンゼルス・ドジャースで2億3884万1005ドル。1ドル=100円換算にしても邦貨で、約238億8400万円にもなる。平均年俸が何と約9億5000万円。2位はヤンキースで約2億942万ドル、3位がフィリーズで1億8410万ドル…。最下位(30位)のアストロズでさえ4447万ドルもあり日本の巨人を上回っている。    なぜ、こんな高額な契約が可能なのか。莫大(ばくだい)なテレビ放映権“バブル”のおかげである。    ドジャースは今季から始まったタイム・ワーナー・ケーブル(TWC)社と25年約85億ドル、年平均3億4000万ドルという気の遠くなるようなローカルテレビ放映権契約を結んだ。しかも、ドジャースとの直接契約でなく、ドジャースが新たに立ち上げた放送局とTWCが契約を結ぶというシステムだ。    大リーグには独特の収益配分がある。各球団はチケット売り上げ、放映権収入などから経費を差し引いた利益の34%を大リーグ機構に上納しなければならないが、“別会社”なら上納対象外。年間3億4000万ドルの放映権は“節税”になるという仕組みだ。    フィリーズも開幕前にコムキャスト・スポーツネットと新たな放映権料の契約を結んだと発表した。現在の契約を2015年で終了させ、16年のシーズンから25年間、25億ドルという大型契約である。    ◆価値高めた生中継  それにしても、法外な放映権料を支払ってどうしてビジネスとして成り立つのだろうか…。    テレビ局の収入源はCF収入と受信料である。米でテレビを視聴する場合、地元ケーブルテレビ会社と契約する必要があるが、ケーブルボックスにはDVRという録画機能も付随する。近年、多くの視聴者がそれを利用し、CMなどがスキップする傾向にあり、スポンサーが敬遠していた。ところが、“生”のスポーツ中継にはそれがない。一気に大リーグなどスポーツの価値が高まったのだ。    ケーブルテレビの場合、契約者が番組を選択できるが、たいていは100番組以上のパッケージになっている。スポーツ局系は比較的ニーズが高く、しかも視聴料も高額なため、ケーブルテレビにとっても“稼ぎ頭”として入れ込む。テレビ局にとってもたとえ見られなくても、“パッケージ内”なら安定した収入は得られる…という仕組みになっている。    今季、大リーグ最高年俸者はドジャースの先発右腕、ザック・グリンキー。昨季から始まった6年契約の2年目で2800万ドル。2位は2500万ドルでフィリーズの主砲、ライアン・ハワードと左腕エースのクリフ・リーが並ぶ。2000万ドル以上は20人を数える。ちなみに、ヤンキース・田中将大は2200万ドル、約22億円。日本の4位、ロッテを上回る。    いま、大リーグは空前の“放映権バブル”に沸く。選手にとってはアメリカン・ドリームだが、果たしてこのビジネスモデルがいつまで続くのか。スポーツ崩壊にならぬよう祈りたい。(産経新聞特別記者 清水満)

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