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【クレムリン経済学】日本製の中古車輸入が曲がり角 ルーブル安、不透明な品質…事業厳しく 「メーターいじってるだろ?」
2016年10月17日 月曜日

極東ウラジオストクでは、今でも路上を走る車のほとんどが日本から輸入された右ハンドルの中古車で、市内のあちこちに中小の修理工場や部品店が並ぶ。「単なる売り買いだけではなく、経済システム全体が生み出された」(専門家)とまで評価されるゆえんだ。
しかし輸入車ビジネスは2014年以降のルーブル暴落の直撃を受けた。現在、対円でのルーブルの価値は14年初めと比べて約半分。ロシア国内の景気悪化も相まって、中古輸入車の売れ行きは厳しさを増している。 品質面でも、人々の視線は厳しさを増している。「この車は日本の中古車だけど、どれくらい古いものか、本当のところは分からない。走行距離のメーターなども、“いじられている”だろう」 個人で車を購入したというタクシー運転手のアナトーリさん(35)は、記者をゼリョーヌイ・ウーグルまで送る車中で中古車への不信を口にした。購入した車の値段を聞くと、それほど安くはない。日本製への信頼から中古車を買うというが、ビジネスのあり方には不満も強いようだった。新たな業態模索も
従来型の中古車ビジネスを脱皮し、新たな業態創出を目指す経営者もいる。 ウラジオストクから車で約30分。幹線道路沿いに、日本や欧州ブランドの新車を扱う大型販売店があった。なかにはカフェやさまざまなグッズの販売スペースも併設され、客がくつろげるよう工夫しているのが印象的だった。 店舗を経営するスモウトリ・テフノホールディング社のベルケエンコ社長(43)は、極東の自動車販売業界では知られた存在だ。1990年代から中古車輸入ビジネスを手がけ、後に商用車や、新車販売にも事業を拡大してきた。社名はもちろん、日本の「相撲取り」が由来だ。高い技術や規律、精神性を表現しているのだという。
業態を多様化した結果、ビジネス環境が激変した過去のロシアの経済危機や、現在も続くルーブル下落も乗り切ることができたと振り返る。経済状況は現在も厳しいが、「ビジネス文化の変革や住民生活の改善につながれば」として、地域振興を視点にしたサーキット場建設や、日本人選手らも出場するレース運営なども手がけている。
ベルケエンコ氏はロシア極東の人々の特徴として「疑い深く、物事が良い方向に変わるということを信じようとしない」傾向があると指摘する。そして「現状に不満があるならば、自分を信じて行動すべきだ。すべての企業がその方向を目指せば、必ず状況は変わる」と語り、極東ビジネスの“現状打破”を熱く訴えた。(ウラジオストク 黒川信雄) 日本人選手らも出場するレース運営なども手