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send 「EV出遅れた日本勢」で一歩先を行く日産 西川社長「第2段階にうまく移行」

2018年2月16日 金曜日

日産「リーフ」を背に話す西川広人社長=東京都内(ブルームバーグ)   日本の自動車大手は電気自動車(EV)で「出遅れている」と言われる中、早くから次世代エコカーの本命と位置付けてきた日産自動車が存在感を増している。2017年10月に7年ぶりに全面改良したEV「リーフ」を国内発売。同年末からは、電力会社や環境関連企業などと連携して新型リーフのPRと普及を狙った啓発活動を矢継ぎ早に打ち出した。EVの本格普及はまだ先という段階だが、新興の海外勢に対抗して取り組みを強化することでシェアを高め、日産連合による自動車世界首位につなげる。   国内初の実証実験 今月1日、川崎市で開かれた「川崎国際環境技術展」。太陽光発電に代表される再生可能エネルギーとEVの未来像を示す実証実験が行われた。飲食店や食品工場の排水から回収した大量の油脂を燃料化。これを燃やして発電した電気で新型リーフを充電、試乗してもらう国内初の試みだ。 燃料化技術は、経済産業省所管の公的機関「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の補助を受けて、環境機器メーカーのティービーエム(埼玉県所沢市)が開発。担当者は「自治体のごみを原料にEVタクシーを走らせ、乗客が啓発される仕組みができれば、EVは広がる」と抱負を語り、日産との連携に期待感を示した。 それに応えるように、日産の販売会社、神奈川日産自動車(横浜市)の担当者は「EVを体感してもらう機会を増やしたい」と意気込んだ。 日産は、17年9月末に発覚した新車の無資格検査問題を受けて一部自粛していたテレビCMなどの広告宣伝を同年末から徐々に復活。今月3日には、モビリティー(乗り物)革命で先頭を走る決意を示す新ブランドキャンペーン「NISSAN PRIDE」も始めた。  

標準装備を視野

EVでの自動運転技術にも力を入れる。1月、箱根(神奈川県)の老舗旅館「一の湯本館」を舞台に自動駐車機能を活用した未来型旅館のPR動画をインターネットで公開した。見どころは、スイッチ1つで散乱したスリッパや座布団が自律移動して整列する場面だ。その動きは、空いたスペースに自動駐車する車を連想させる。 新型リーフの開発を指揮した車両開発主管の磯部博樹氏は「運転時のうっかりミスを防げる自動運転技術はかなり注目されている」と手応えを語る。 自動運転は「EVとの相性が良い」(磯部氏)とされる。車の加速や停車など素早い制御が求められる自動運転では、ガソリン車より電気で駆動するEVの方が反応が早く、有利となるからだ。将来的には、ハンドルを回す抵抗を減らすパワーステアリングのように標準装備にしたいという。   ■価値を認めてもらう第2段階に移行 初代リーフは世界初の量産型電気自動車(EV)として2010年12月に発売。18年1月末までの販売台数は累計約30万台に達し、世界でも最も売れたEVとなった。新型リーフは1回の充電で走れる航続距離を280キロから400キロに伸ばした。

カーシェアが象徴

こうした実績は、次世代環境車市場をめぐる覇権争いが激化する中、どこまで武器になるのか。日産の西川広人社長にそう質問をぶつけると、自信に満ちた表情で「リーフを通じて培った経験と技術、顧客基盤は明確なアドバンテージ(優位性)だ」と述べた。 西川社長は「単純に『技術を投入して電気で動く自動車を造ります』という段階から、顧客に(EVの価値を)認めてもらう第2段階にうまく移行している」とも強調する。 それを象徴する一つがカーシェアリングサービス。7日には、日産・仏ルノー・三菱自動車の連合が中国配車サービス最大手の滴滴出行とEVによるカーシェアで協業する覚書を締結したと発表した。 日産がEVに社運を懸けるのは、ルノー出身のカルロス・ゴーン会長の意思でもある。 英仏は17年、40年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁じると表明。世界最大のEV市場となった中国は19年に導入する環境規制で、メーカーに一定比率のEVなどの製造・販売を義務付ける。1999年、ルノーから日産に移り、大なたを振るってきたゴーン会長は長年、世界で活躍してきただけに、フランスなどEVの世界的潮流を敏感に察知していた。  

3社連合ポイント

「われわれのEV販売台数は(ルノーなどを含め)メディアが注目する米テスラの2倍だ」 ゴーン会長は昨年6月の株主総会で、EVのリーディングカンパニーだと力説した。日産と中国の東風汽車集団の合弁会社は5日、2022年までにEVなどの電動車20車種以上を中国に投入する計画を表明した。 ただ、18年1月末までのEV累計販売は16年に傘下に収めた三菱自動車を含めても54万台。ゴーン会長が11年に掲げた「16年度までに150万台」の数値目標は達成できなかった。 このため日産は、日産・ルノー・三菱自連合を軸に緩やかな協力関係を広げ、電動車など次世代技術の競争力を高めることにも意欲を示す。西川社長は「協力のネットワークをうまくつくれるかどうかが勝負を分けるポイントになる」と気を引き締める。 日産・ルノー・三菱自連合の17年の自動車の世界販売台数は1060万台。トヨタ(1038万台)を抜き2位に浮上した。首位の独フォルクスワーゲン(1074万台)にも迫っており、EV戦略の成否が首位奪取の鍵を握りそうだ。(臼井慎太郎)

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