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send 「農業女子」呼び込みへ官民連携 働きやすさアピール、専用トラクターも

2015年6月10日 水曜日

mca1506100500005-p1   農業従事者の高齢化や担い手が不足する中、農林水産省と企業がタッグを組んで、「農業女子」を増やす取り組みを強化している。国内の農業従事者の半数は女性だが、かつて農家に嫁いだ高齢者というのが現在の標準の姿。新規就農者の女性の割合は2割程度と低迷続きだ。このままでは国内農業の衰退は避けられず、官民連携で、若い女性にも働きやすい農業をアピールしようと、関連機器・商品開発に躍起となっている。   初の専用トラクター   井関農機は9日、都内で農業女子トラクター「しろプチ」の発表会を開いた。今回の新製品開発は農水省が女性農業者と企業が保有する技術力を結びつけ、商品やサービスを作り出す「農業女子プロジェクト(PJ)」の一環で、同社として初めて女性向けトラクターの発売となった。   しろプチは、農業女子PJのメンバーのアイデアを多く取り入れた。肌を守るため、大型の日よけを搭載したほか、乗降時に両手でつかめる補助グリップを取り付けた。色も明るいホワイトカラーにした。   長時間作業に対応するため、乗り心地の良いシートを採用。足がペダルに届かない女性のため、シートを前後に調整できるようにした。通常のトラクターは男性仕様のため、女性が乗りづらいとの声も多い。木村典之社長は「女性視点のアイデアは当社の開発陣にとっても目から鱗(うろこ)だった」と語る。  

農業女子がターゲットの商品はトラクターだけではない。ダイハツ工業も昨年、農業女子PJと連携した軽トラックを発売した。女性が乗りやすい仕様にしたほか、ボディーカラーも薄ピンクなど全8色を用意。紫外線や赤外線を遮断するガラスやミラー付きサンバイザーなどのオプションも設定した。

  また、アウトドア用品のモンベルが快適でファッショナブルな作業着を開発し、クボタが販売。レンタルのニッケンは農作業時の女子トイレ、丸山製作所は女性用草刈り機を農業女子PJメンバーと開発している。   農水省が企業と連携し、農業女子向け商品の創出に力を入れているのは、農業従事者の高齢化や担い手不足がある。この10年で農業従事者は100万人減少し、現在の平均年齢は男女とも66歳と高い水準だ。   農水省就農・女性課の佐藤一絵女性・高齢者活動推進室長は「10~20年先の日本の農業は担い手不足に陥る可能性があり、若い女性の就農が不可欠」と話す。  

“使い勝手”に配慮

  ただ、農業を始めるには、農地に加え、農機具が必要。女性には敷居が高く、農機具なども男性以外の使用を考慮したものはほとんどなかった。農業女子PJの応援団長を務める林芳正農水相も「女性の視点が取り入れられれば、農業に新たな価値が生まれる」と後押しする。   一方、実際の農業現場は365日の作業が必要で、天気次第で収穫が左右する厳しい職場だ。おしゃれ感覚の農業女子PJに対して、一部では「考えが甘い」(農業関係者)との声もある。   ただ、若い農業女子が増えれば、新しい日本の農業の姿が生まれてくると期待する見方も業界内に多い。この取り組みで実際にどの程度女性の農業従事者が増えるか、成果に注目が集まる。(黄金崎元)    

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