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send 「池袋大改造」プロジェクト始動 特区外れショック…新宿・渋谷に対抗

2014年4月30日 水曜日

mca1404300500002-p2    コスプレ女子“聖地”  アニメやコスプレ好きの10代、20代の女子が集まる東京・池袋-。来春に豊島区役所新庁舎が完成するのを機に、駅周辺を「にぎわいエリア」へと大改造するプロジェクトが動き出す。現庁舎や造幣局跡地の再開発に加えて、公園、歩道空間、駅前広場などの整備を一気に加速。2020年に向けて大きく変貌を遂げようとしている。    落選にショック  「なぜ豊島区が国家戦略特区の指定から外れたのかは分からない。東京都からは事前に相談がなかった」と豊島区幹部は首をかしげる。    政府が成長戦略の柱として推進する国家戦略特区に東京圏、関西圏など6地域が3月に指定されたが、東京都は特区指定を千代田、中央、港、新宿、文京、江東、品川、大田、渋谷の9区に限定。7大副都心のうち上野・浅草のある台東区、両国・錦糸町のある墨田区、池袋のある豊島区を除外する方針を打ち出したからだ。    3月には今年度から10年計画でスタートする「現庁舎周辺まちづくりビジョン」を策定したばかりで、再開発計画もめじろ押しだ。外国人にも人気のアニメ文化を中心ににぎわいあふれるまちづくりを目指すが、「役所主導で民間の活力が乏しいと判断されたのか」と残念がる。    確かに池袋は都市再生の取り組みが遅れていた。旧・巣鴨刑務所跡地を再開発して1978年に開業した池袋サンシャインシティ以降、大規模な再開発事業がほとんど実現していない。品川、新橋のように駅近くに再開発に適したまとまった土地がなく、港区に特化した森ビルや渋谷を拠点とする東急グループのように再開発を強力に推進する大手不動産会社もなかった。    こうした状況に強い危機感を抱いたのが、99年に区長に就任した高野之夫氏だ。豊島区で古書店を経営する商店主という経営感覚を生かし、行政主導での再開発事業に乗り出した。区が保有する公共用地を活用して民間の再開発事業を誘導するとともに公共施設の整備も進める手法を導入。その目玉プロジェクトが来春に完成する地上49階建ての超高層マンションを併設した新庁舎だ。    整備資金は、小学校と児童館の跡地を新庁舎の保有床に変換するほか、現庁舎と公会堂・分庁舎の敷地を定期借地権で民間に賃貸する費用を充てる。マンション部分は総戸数432戸で、うち322戸を東京建物が「ブリリアタワー池袋」として分譲。昨年9月までの2カ月足らずで完売する人気だった。    今年1月に南池袋公園にオープンした1000台分の地下駐輪場も、東京電力が地下変電所を建設したのに合わせて整備。これに伴い池袋駅東口駅前から続くグリーン大通り沿いにあった路上自転車置き場を撤去し、新たな歩行空間を確保した。    街歩き楽しく  池袋は、集客力のある拠点施設が駅直結の大型商業店舗とサンシャインシティの2カ所に限られていた時期が長く続いた。人の流れも駅東口からサンシャインシティに向かうルートに集中し、街歩きを楽しむという雰囲気に乏しかった。    そんな池袋が、アニメやコスプレ好きの女子たちが多く集まる“聖地”として注目されるようになったのは数年前から。サンシャインシティに隣接する通称「乙女ロード」には、アニメイトやK-BOOKSなどアニメやコスプレ専門店が並ぶようになり、キャリーバッグを引いた女子たちでにぎわう。    12年にはアニメイトが現庁舎の近くに本店を移転すると、平日はサラリーマン男性の喫煙所状態の中池袋公園が、土日は女子たちであふれる。こうした状況を見て公園に隣接して立体駐車場を経営していた栄真が若者をターゲットにした商業施設「池袋WACCA」の建設に着手。今秋に完成する。    西口再開発に三菱地所が名乗り  豊島区も、現庁舎跡地に文化芸術活動に対応できる新ホールを整備するほか、低層階にはにぎわいあふれる商業施設の進出を期待。中池袋公園も、若者向けの野外イベントを開催できるように再整備する。    さらに現庁舎から南へ沿道に中池袋公園、アニメイトが連なる「南北区道」を整備して店舗などの出店を促す。その南北区道と交差するグリーン大通りには、路上自転車置き場を撤去した後にオープンカフェなども整備して新庁舎への導線も確保する。これら事業を東京オリンピック前の2018年度までに整備したい考えだ。    池袋駅の大改造も動き出す。駅の東西を結ぶデッキや地下通路を拡充して利便性を高めるほかに、駅前広場の整備にも着手する。多くの人が利用する駅東口に駅前広場がないことが池袋駅の弱点といわれてきたが、駅前を交通量の多い明治通りが通っていたため。新庁舎脇で工事が進められている環状第5の1号線が19年度に完成すると、池袋駅前を通る大半の通過車両を迂回(うかい)させることができる。駅前広場の整備が具体化すれば、駅の東側で懸案となっているLRT(次世代型路面電車)の検討も本格化するだろう。    駅東口よりさらに都市再開発が遅れていたのが駅西口地区だ。これまで何度も計画が持ち上がったが、実現には至らなかった。08年には、西口北側の中華料理店が多い地域で池袋チャイナタウン構想が持ち上がったこともあった。    難航する西口地区のまちづくりに昨年暮れ、三菱地所が名乗りを上げた。「まちづくり協力者という立場で、手弁当で相談に対応しているという段階」(三菱地所広報)というが、「合意を得られている地権者は6~7割。何とか8割以上に高めて再開発準備組合設立までこぎつけてほしい」と豊島区担当者は期待する。    三菱地所としても、東京有数のターミナル駅前の可能性を高く評価して、これまで誰も手を出さなかった火中の栗を拾う決断をしたようだ。手弁当での協力を強調するが、大手デベロッパーとして再開発をやり遂げる自信は当然あるだろう。    今後は三菱地所のほか、池袋大改造に名乗りを上げる不動産会社も増えると予想される。民間企業のビジネスチャンスを拡大するためにも、東京都が見送った国家戦略特区の指定へ、民間からも働きかけることが期待される。

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