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send 「企業統治原則」成長の糧に アベノミクスの目玉、効果に懐疑論も

2014年9月19日 金曜日

mca1409190500006-p1 安倍晋三政権が導入を目指している上場企業の統治原則「コーポレートガバナンス・コード(CGコード)」の検討作業が本格化してきた。CGコードの導入により、日本企業の収益性と透明性を高め、国内外の投資マネー呼び込みの起爆剤にしたい考えだ。しかし、経済界にはCGコード導入の効果に懐疑的な見方があり、とりまとめが難航する可能性もある。   ◆投資呼び込み不可欠   今年6月に改定した成長戦略の目玉として、CGコードの導入を盛り込んだ。これを受け、金融庁と東京証券取引所が8月に有識者会議を創設。11月中に基本的な考え方を取りまとめる。   CGコード策定の背景には、欧米企業のROE(株主資本利益率)が15~20%程度なのに対し、多くの日本企業は10%以下と、収益性が低いことがある。金融庁によると、欧米だけでなく豪州、タイ、マレーシアなども相次いでCGコードを導入。こうした中で「コードがない日本企業に対し、『えたいの知れない企業に大事な資金は出せない』と考える海外機関投資家は少なくない」(同庁)という。   多額の資金を運用する海外の有力年金基金などから資金を呼び込み、金融市場を活性化するにはCGコードの早期導入が欠かせないというわけだ。   ただ、CGコード導入の効果をめぐっては有識者の間にも意見の隔たりがある。「日本企業はコードが厳しいほど成長力を高める」(経営共創基盤の冨山和彦代表取締役CEO)との評価の一方、「東証のコーポレートガバナンス原則が存在しているにもかかわらず、何が足りないというのか」(東京海上アセットマネジメントの大場昭義代表取締役社長)など疑問視する声もある。CGコードの導入対象企業についても温度差があり、意見集約は容易ではない。   ◆経営の透明性高める   経営を監視し、透明性を高める役割を期待される社外取締役の導入もCGコード策定の焦点の一つだ。社外取締役設置をめぐっては今年6月の改正会社法で義務付けは見送られたが、株主総会で設置しない理由説明が求められたこともあり、上場企業で設置が進んでいる。   CGコードには社外取締役の人数について、海外と同水準を目指し、「複数」と明記される可能性がある。上場企業が一斉に来年6月の株主総会までに人材確保に動けば、社外取締役の選任が間に合わない企業が出る懸念もくすぶる。   社外取締役の確保を急ぐあまり取締役としての資質に乏しい人材を登用し、経営に弊害が出ることも予想される。大半の企業が置いている監査役と社外取締役との機能をどう切り分けるかという課題も浮上している。   このように、CGコードを導入しても企業によっては機能しないおそれもある。企業統治に詳しい野村総合研究所の大崎貞和主席研究員は「CGコードの策定は前進だが、コードを作れば企業の収益性向上に直結するわけではないことに注意すべきだ」と話す。   金融庁は今年2月に策定した機関投資家の行動原則「日本版スチュワードシップ・コード」との両輪で、機関投資家と企業の対話の質を高め、海外に対する日本の企業や金融市場の優位性をアピールしたい考えだ。   今後のアベノミクスの成否を左右する「稼ぐ力」の向上に向け、官民一体での本気度が問われている。(小川真由美)    【用語解説】コーポレートガバナンス・コード(CGコード)   法的拘束力はないが、原則として上場企業のあるべき姿を機関投資家に示す指針。海外では機関投資家の投資判断の基準として一般化している。株主の権利や取締役会の責任、役員報酬など企業統治のあり方が盛り込まれる。CGコードを定めた企業は「Comply or Explain(CGコードを実施するか、実施しない場合はその理由を説明するか)」が求められる。

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