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send 「メドテック」広がる医療革新 最新IT活用、電機・通信大手など強化

2020年1月27日 月曜日

報道陣に公開された5G移動通信システムを活用する実証実験=21日、徳島県牟岐町

高齢化の進展で医療や介護サービスの高度化・効率化へのニーズが高まる中、IoT(モノのインターネット)や第5世代(5G)移動通信システムなど最新のIT技術で医療サービスの革新を目指す動きが広がっている。医療(メディカル)と技術(テクノロジー)を融合する「メドテック」と呼ばれる挑戦で、医療関連企業にとどまらず、電機・通信大手などが新たな成長産業として取り組みを強化している。 ◆センサーで生活観察 パナソニックはこのほど、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)と共同で、認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI)」を早期発見するシステムを研究すると発表した。高齢者向けの住宅に複数のセンサーを設置し、日常生活の様子を観察。わずかな行動の変化を見逃さず、発症の兆候を探る。将来的に実用化を目指す。 パナソニックが吹田市に建設した高齢者向け複合施設で、2月から始める。入居者の同意を得た上でドアやベッド、トイレなど室内のさまざまな場所に機器を設置する。 例えば、ドアには見守り機能を兼ねたセンサーを置き、深夜など不自然な時間に外出していないか把握する。ベッドでは就寝や起床時間のほか熟睡度合いを測る。トイレの使用頻度も調べ、生活リズムを把握する。取得したデータはパナソニックと国立循環器病研究センターで分析に当たる。 軽度の認知障害の疑いが見つかった場合、利用者に医療機関での受診を促す。研究結果は2年後をめどにまとめる。 携帯電話大手のNTTドコモも医療分野との技術連携を進めている。徳島県とNTTドコモ四国支社(高松市)は、僻地(へきち)での遠隔医療に5Gを活用する実証実験を21日に県立海部病院(牟岐町)で報道陣に公開した。今春から実用化が始まる5Gの商用電波を使った遠隔医療の実験は国内初という。 5Gは鮮明な画像など大容量のデータを超高速で送ることができ、通信のタイムラグが小さいのが特徴。患者と専門医を5Gで結び、4Kの高精細な映像をリアルタイムで送ることで、遠隔地から高度医療の支援ができるようになるという。 実験では、海部病院と県立中央病院(徳島市)をつなぎ、中央病院の専門医が海部病院にいる糖尿病患者を診察。皮膚や傷痕を4Kカメラで撮影し、映像による色彩の再現性なども検証した。 参加した糖尿病患者の木下忠吉さん(73)は「対面と変わらず、安心して受診できた」と話した。海部病院の江川創医師は「言葉で伝えるのが難しい皮膚の所見を高精細な映像で伝えることができた。現在、都市部から約2時間かけて診察に来てもらっている専門医の負担も軽減できる」と話した。   ◆アプリ使い残薬削減 一方、医療関連業界側から異業種の技術に注目し、新たなサービスを創出する試みもある。 ジェネリック医薬品(後発薬)大手の東和薬品とバンダイナムコ研究所(東京)は処方された薬の飲み忘れを減らす取り組みで協業する。ゲーム制作の知見を用いて、スマートフォンアプリの共同開発を計画する。症状の悪化や医療費の無駄遣いにつながる「残薬」の削減を目指す。 東和薬品によると、残薬は年間約500億円分と推計され、理由の7割近くが「飲み忘れの積み重ね」という。今回の協業ではバンダイナムコグループが「太鼓の達人」といったゲーム開発で培った「やる気」や「達成感」を引き出すノウハウを応用し、正しい服薬を手助けする。2020年度から実証実験を始める予定。得られたデータの販売も検討する。 服薬支援の取り組みは他の企業なども進めており、福岡県を中心に調剤薬局などを経営する大賀薬局(福岡市)は「薬剤戦師オーガマン」と名付けたヒーローを用いて残薬削減を啓発。余った薬を薬局に持ち込む「節薬バッグ」を配る運動も各地で広がっている。

フジサンケイビジネスアイ

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