自分らしい就職を希望する学生と中堅・中小企業を応援するサイトです

就活支援ジャーナル

メガFTAは日本に何をもたらすのか? 乳製品競争激化「本業の片手間では無理」

2017年7月7日 金曜日


 

【EPA 日欧の選択】(上)

 交渉開始から4年以上かかった日欧EPAが大枠合意に至った。国内農業に対する不安だけでなく、台頭する保護主義に歯止めをかける期待も高まる。動き出した巨大自由貿易協定(メガFTA)が日本に何をもたらすのか探った。

国産は消費量の15%

北海道の道東、日高山脈と太平洋に囲まれた巨大な十勝平野の中心に、真新しい倉庫がぽつりと建つ。周辺の6つのチーズ工房が共同で設立した十勝品質事業協同組合のチーズの熟成庫だ。庫内では、熟成士が温泉水を使いチーズを一つ一つ丁寧に磨き上げていた。

今年2月に稼働を始めたばかりで、1個4キロのラクレットチーズが4000個保管されている。約2カ月半の熟成期間を経て「十勝ラクレット」という共通ブランドで出荷する。年5回、計2万個を出荷する計画だ。

全国の畑の12%が集中する十勝地方。食料自給率(カロリーベース)は実に1000%を超え、国産ナチュラルチーズの約9割が十勝産だという。同組合を主導する宮嶋望さんの共働学舎新得農場は、年間売上高が1億5000万円規模と国内チーズ農家としては大手だ。だが、それでも「外食産業に卸すには、まだまだ量が足りない」と漏らす。

国内のチーズ消費量のうち、国産が賄うのは15%程度。圧倒的多数を占める輸入チーズのうち、オーストラリアに次ぐ相手国が欧州連合(EU)だ。経済連携協定(EPA)が発効すれば、品質が高い欧州産が安価に流入してくる。

 北海道のある酪農家は「乳製品は厳しい競争に陥る。チーズにしろ、バターにしろ、もはや本業の片手間ではできなくなった」と警戒感を隠せない。

「リスク覚悟で参入」

オランダの南ホラント州にあるブーター・チーズ社では、敷地に入った瞬間、濃厚なチーズの香りが鼻腔に広がった。高さ10メートルほどの熟成庫には鮮やかな黄色いゴーダチーズがところ狭しと並び、ベルトコンベヤーで運ばれるチーズを職人が次々と磨いていく。

地域では製造と熟成・保管で完全な分業体制が敷かれ、1923年創業の同社も20年前から、保管に特化している。保管数は年間100万個と、まさに桁違いだ。4週間~1年以上と幅広い熟成期間のチーズを取りそろえている。熟成が進めば進むほど、味は濃くなり、付加価値も高まる。

オランダ酪農協会広報担当のヨハン・スキルドカンプさんは「伝統と品質管理には自信がある。われわれのチーズを、日本の消費者にも安く楽しんでほしい」と市場開放に期待する。

農畜産業振興機構の調べでは、EU域内の2016年のチーズ生産量は911万トン。米国(551万トン)やオーストラリア(15年度に32万トン)すら圧倒する。国内チーズ業界にとって、まさに“黒船”の到来だ。

 とはいえ、チーズ作りに新規参入する十勝加藤牧場の加藤賢一さんは「世界からの輸入が増える中、投資のリスクを背負ってでも、チーズに賭ける可能性はある」と前を向く。

十勝品質事業協同組合では品質をそろえるため工程の7割を共通化した。3割を残したのは各工房の独自性を出すためだ。

世界のチーズコンクールでも入賞を果たしている宮嶋さんは「ミルクのうまみが良く分かる繊細さが日本のチーズの強み」とEU産と差別化に自信をのぞかせた。

■酪農、競争力強化へ猶予15年

「もっと現実的になってほしい!」

東京都内で7月1日まで開かれた2日間の日欧閣僚協議で、山本有二農林水産相は全てのチーズの関税を撤廃するよう頑として譲らないホーガン欧州委員(農業・農村開発担当)に対し強い口調で呼び掛けた。

欧州連合(EU)は主な輸出先であるロシアにウクライナ問題でチーズの受け入れを拒否され、余剰分の供給先として日本に的を絞っていた。

牛乳や生クリームなどの消費が頭打ちとなった日本の乳製品市場で、チーズの消費量は右肩上がりだ。1人当たりの年間消費量は2.2キロ(2015年度)とEUの8分の1にとどまっており、潜在力も大きい。

だが、日本がEUの要求をのめないのは明らかだった。長期保存ができない飲用牛乳は各都道府県で作られ、近くの消費地に送られるのに対し、チーズやバターなど加工用牛乳の生産は北海道に集約されている。海外からチーズの輸入が急増すれば、北海道の酪農家が集中的に打撃を受ける。

 行き場を失った北海道の生乳が東北や関東など本州に流れ込めば、乳価が下落するだけでなく酪農の産業構造にすら影響を与える。

また、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)ですら現状維持にとどめたカマンベールなどソフトチーズの関税で不用意に譲歩をすれば、米国やオーストラリアなどを刺激し、市場開放の要求が強まりかねない。

酪農業界を守るため政府が悩み抜いて切ったカードが、低関税の輸入枠だ。枠外は3割程度の高い関税を維持する上、枠内も15年にわたり段階的に削減することで、競争力強化に向けた準備期間を確保した。

また、品目を限定せずに枠を設けたことで、特定のチーズで譲歩した印象を残さず、今後の通商交渉で不利にならないようにした。

だが、枠内のチーズは安価になり、輸入量も増加することになる。欧州産との圧倒的な実力差を埋めるには、国内のチーズ農家に与えられた猶予は決して長くない。生き残るか、陶太されるか。生産現場では15年間の熾烈(しれつ)な戦いの火蓋が切って落とされる。(高木克聡、田辺裕晶)

 

 


ピックアップ企業

MXモバイリング株式会社 東京キリンビバレッジサービス株式会社 株式会社ジオンパーソナルサポート 株式会社アプリコット 株式会社南海エクスプレス 株式会社アデプティマ レカム株式会社 株式会社マルト 株式会社ヨシックス 株式会社遊楽 医療法人社団福寿会 株式会社NBSロジソル 株式会社NKインターナショナル 株式会社エッセ 株式会社タカフジ コスモ建設株式会社 ネッツトヨタ旭川株式会社 クリプトンフューチャーメディア株式会社 株式会社アネステック 株式会社G-7 ホールディングス 株式会社ゼネラルリンク 株式会社東輝建設 株式会社オヤマダ 株式会社キャッツ 株式会社ヒップ 株式会社ハマエンジニアリング 株式会社寺岡北海道 株式会社トラジ 株式会社文明堂東京 株式会社サイネックス 田中商事株式会社 株式会社ウチダテクノ 株式会社ベネッセスタイルケア 港製器工業株式会社 株式会社アクセル KeePer技研株式会社 サッポロウエシマコーヒー株式会社(UCCグループ) 株式会社日本アシスト 大東建物管理株式会社 株式会社アウテック コムウェア株式会社 株式会社 トーシン 株式会社中央コンピュータシステム 株式会社フジキン 株式会社ケアサービス ヤマト電機株式会社 トランスコスモス株式会社 SOMPOケアメッセージ株式会社 株式会社テンダ 第一カッター興業株式会社 社会福祉法人敬愛会 社会福祉法人千葉県福祉援護会 株式会社ノジマ センチュリー21レイシャス 株式会社リエイ アイ・ティー・エックス株式会社 株式会社ほていや 昭和木材株式会社 王蔵株式会社(ケイズグループ) 浜友観光株式会社 株式会社甲羅 スガキコシステムズ株式会社 株式会社アール・エム 日化設備工業株式会社 東武商事株式会社 大成ネット株式会社 株式会社ニッテイホールディングス 西菱電機株式会社 生活協同組合 共立社 株式会社田子重 千代田サービス販売 株式会社 株式会社東洋 株式会社愛工大興 株式会社丸千代山岡家 株式会社ダイキエンジニアリング 旭川トヨタ自動車株式会社 三和ベンダー株式会社 株式会社ヨークマート 株式会社テレステーション トヨタウッドユーホーム株式会社 斉田電機産業株式会社 サカイ創建グループ 愛知産業株式会社 日本原子力防護システム株式会社(JNSS) 第一生命保険株式会社 【総合営業職】 フォレックス株式会社 株式会社Birth47 株式会社ノールテック 株式会社ジー・テイスト 東北海道日野自動車株式会社 株式会社ジェイグループホールディングス 株式会社ユニオンプレート ラッキーホールディングス株式会社 株式会社ジー・テイスト  西日本カンパニー モリス株式会社 ホクサン株式会社 株式会社サカイ引越センター 北見トヨペット株式会社 株式会社 萬野屋 ALSOK大阪株式会社 メモリー株式会社 株式会社 夢真ホールディングス 富士シティオ株式会社 ビジョナグループ カネキ酒販株式会社 株式会社 北関東クリーン社 株式会社フルキャストホールディングス 株式会社アクセスネット 国際自動車株式会社 日本テクノ株式会社 シダックス株式会社 株式会社グッドワークス 株式会社オーエムツーミート 富士テレコム株式会社 埼玉西パナホーム株式会社 株式会社日本ハウスホールディングス 日本計装技研株式会社 新教育総合研究会株式会社 株式会社ホテルしらさぎ 株式会社 トヨタレンタリース博多 株式会社テクノステート 尼崎医療生活協同組合 ティーライフ株式会社 株式会社ブーランジュリー横浜 株式会社 シェル石油大阪発売所 社会福祉法人八尾隣保館 社会福祉法人いたるセンター 二幸建設株式会社 株式会社秀インターワン 株式会社三和交通統轄本部 株式会社 オオサカムセンデンキ 株式会社イカイアウトソーシング 株式会社イー・ビー・エル セガサミーゴルフエンタテインメント 株式会社 鶴雅グループ株式会社阿寒グランドホテル 株式会社ほくおうサービス 株式会社ライジングサン(昭和シェル石油グループ) 株式会社アイルネット 朝日生命保険相互会社 植田基工株式会社 寿金属工業株式会社 株式会社ZEPE 社会福祉法人 大慈厚生事業会 株式会社ルッドリフティングジャパン 株式会社 信和ゴルフメンテナンス 社会福祉法人 永寿福祉会 社会福祉法人 豊中きらら福祉会 株式会社とんでん 株式会社クリエイティブジャパン パシフィックシステム株式会社 株式会社レント 商船港運株式会社 北海道ハピネス株式会社 株式会社ウインズジャパン 株式会社ヨシモト 株式会社ジャパンテクニカルソフトウェア 株式会社グロウスタッフ 有限会社 加納建材 株式会社 アペックスシステム 日本建築構造センター(株) 社会福祉法人ほのぼの荘 株式会社尾崎スイミングスクール 株式会社 グルメデリカ 社会福祉法人 夢工房 株式会社イハシ(グループ) 株式会社富士通パーソナルズリテールサービス 社会福祉法人 博愛社 児童養護施設 博愛社 リーフエナジー株式会社 シームレスサービス株式会社 社会福祉法人あかつき福祉会 株式会社エコ配 北海道マツダ販売株式会社 JR九州ドラッグイレブン株式会社 株式会社ビッグバレーインターナショナル カトープレジャーグループ 株式会社えーねっと 株式会社うおいち 株式会社アセット 株式会社フジデン BBコール株式会社 株式会社エヌ・ビー・ラボ 株式会社ティーディーシー 中村科学工業株式会社 株式会社こだわりや 株式会社リンクアップ 株式会社平和住宅情報センター アーク引越センター株式会社 社会福祉法人 長寿会 大黒天物産株式会社<ラ・ムー/ディオ> 東京美装興業株式会社 株式会社シムックス 株式会社オオゼキ 株式会社イデアル 株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル 株式会社佐合木材 エイベックス株式会社 株式会社トレジャー・ファクトリー 株式会社九州テラオカ 株式会社 角産 アトム株式会社 株式会社コール&システム アイエックス・ナレッジ株式会社 株式会社アイル 株式会社DYM 株式会社エイ・エヌ・エス 株式会社エヌ・アンド・シー 日本アイビーエム・ソリューション・サービス株式会社 株式会社サンセリテ 社会福祉法人サンライフ ・ 社会福祉法人サン・ビジョン 株式会社北海道総合技術研究所 株式会社 北海道ブブ 株式会社クレタ 北日本石油株式会社 札幌支店 パラマウントケアサービス株式会社 株式会社 三共 テンアライド株式会社 社会福祉法人園盛会 株式会社三峰 株式会社ランドロームジャパン 株式会社ラインテクノ 扇町運送株式会社 社会福祉法人ウエル清光会 住友生命保険相互会社 株式会社石竹 ディーエムソリューションズ株式会社 コンピュータ・テクノロジー株式会社 株式会社博運社 株式会社パレベストプラン 株式会社昭和プラント 株式会社ニチボウ 株式会社マルハン ファーストコーポレーション株式会社 株式会社日本アシスト 株式会社アトム北海道 株式会社ニッショー 株式会社ミクロスソフトウエア 株式会社オノマシン 株式会社 剛建築工房 東洋ワークセキュリティ株式会社 内宮運輸機工株式会社 株式会社 大東青果 有限会社つくしの観光バス(エーネットトラベル) 株式会社 純光社 株式会社大戸屋 社会福祉法人 三幸福祉会 株式会社ISLWARE 宇賀神電機株式会社 ミモザ株式会社 有限会社渡辺理美容店 株式会社 アイアンドシー 株式会社エスピック いすゞシステムサービス株式会社 アリさんマークの引越社(株式会社引越社関東) 株式会社映像センター 株式会社ウィズ・テック 株式会社ハイマックス

トピックス

Facebook を開設しました

twitter を開設しました

特集ページUP